既存のコート剤の特徴とWHEEL COAT の優位性
コート剤の大まかな種類は、ワックス系(有機系)、フッ素系(有機系)、ガラス系(有機・無機ハイブリッド系/水性完全無機)の三種類に分類されます。
特にガラス系と称しているコート剤は、Sio2(二酸化珪素)が含まれるものを指します。
- ワックス系(有機系)
- メリット
- 油性で反射率が高いため、塗布すると極めて高い光沢を発し見た目には非常にきれいに見える。
- デメリット
- 油性であるため、大気中の有機汚れが付着すると更に汚れが増幅される。紫外線により酸化し、汚れのもととなる。
- 被膜表面は撥水である。
- 効果持続期間が短いため、塗布後、適宜汚れたワックスを除去し再度塗布することが必要となり、非常に手間がかかる。
- メリット
- フッ素系(有機系)
- メリット
- ワックス系よりは汚れにくく、紫外線による酸化劣化現象が指摘されていたが、昨今大きく改善されている。
- 効果持続期間はワックス系より長く、6ヶ月程度(メーカーや品種により異なる)
- デメリット
- 油性であるため、大気中の有機汚れが付着すると更に汚れが増幅される。有機物は紫外線により酸化し、汚れのもととなる。
- 被膜表面は撥水である。
- 摺動摩擦にそれほど強度はなく、洗浄により被膜の劣化が起こりやすい。
- メリット
- ガラス系(有機・無機ハイブリッド系)
- メリット
- ワックス系やフッ素系に比べ、被膜の耐久性能は改善されている。
- SiO2配合により、汚れ防止効果がワックス系やフッ素系に比べ大きく改善されている。
- 施工がワックス系、フッ素系に比べ非常に難しく、コーティング施工業者の技術が発揮される。(価格的に高価になる)
- デメリット
- ハイブリッドであるため、被膜表面は撥水となる。
親水を謳うハイブリッドもあるが、基本的に、初期は界面活性剤等により親水効果を発現する。
最近では、界面活性剤なしでも親水化表面を発現するコート剤も出てきており、それらの商品は有機溶剤比率が少ない。
しかし、基本的には有機溶剤を使用しており有機溶剤が気化した後でもC(炭素)の骨格は被膜内に残留し、紫外線劣化の原因となる。 - 多くのガラス系ハイブリッドは、二酸化珪素微粒子を溶液化するためにメタノールやアルコール等の有機溶剤に分散しており、特にパーヒドロポリシラザンはメタノールを溶媒として加水分解により被膜形成を行っている。
加水分解とは大気中の水分と溶剤が化学反応を起こして被膜を形成する作用であり、高湿度中や雨天での施工は困難で、施工後も被膜が硬化するまで水や湿度に曝露することはできない。 - 被膜は硬化型。
自動車の塗装の硬度は鉛筆硬度で2~3H程度であり、この上に鉛筆硬度が9H程度のガラス被膜が付着した場合、大きな問題として、(1)自動車の走行時の振動、(2)夏・冬の塗装被膜の膨張収縮に対するマイクロクラックによる汚れ、親水が生じる。 - 高湿度・雨天での施工は困難(水分と反応し白化現象が発生する)
- 同等品が多く価格競争が激しい(原液の出所は同じと考えられる)
- クラックが発生すると、塗装のやり直しを行う以外に解決方法はない。
- ハイブリッドであるため、被膜表面は撥水となる。
- メリット
- このように既存の自動車コート剤の特徴をレビューすると、メーカーや施工業者の立場を優先に開発された感が否めず、ユーザー本位とはいえません。
WHEEL COAT の特徴及び他社製品に対しての優位性
1)無色透明性
コート剤は元々の塗装の光沢(基材)の風合いを変えることなくコーティングするものであり、塗膜の有無を感じさせない完全無色透明性が必要です。
WHEEL COAT は、超微粒子シリカにより透明性を確保しています。
2)コート剤被膜表面での反射を抑えることによる、深みのある光沢
コーティング被膜の表面で光を反射させると、元の塗装の光沢の風合いを損ないキラキラ感のある所謂メッキ的な光沢となります。
特に樹脂系コート剤は屈折率が高いため、コート剤表面で反射しやすく、グロス仕上げを好みの場合は油性・樹脂系コート剤でグロスします。
WHEEL COAT は微粒子シリカ(屈折率1.45~1.47)を使用し透明度を向上させることによりコート剤表面での反射を抑え、塗装面の反射による深みのある光沢を維持しています。(光沢は好みの問題ですが、シックで重厚感の得られる低反射の完全無機材料を開発しています。これは、グロス仕上げはコート剤そのものの表面で光を反射させる、いわゆるテカリ現象であり、高級感に欠けると考えるからです。)
3)耐候性
撥水性の高い有機系コート剤は、紫外線や熱による酸化劣化・変色・退色と共に汚れ、ウォータースポット(輪染み)等の問題が生じ、これを防ぐためにこまめにコート剤を剥離し再コートする作業が求められます。また硬化性のガラスコート剤は、塗装面に化学的反応による被膜を形成するため傷やクラックの危険性、またコート剤が不要な時にコート剤のみを除去することが不可能だという問題があります。
WHEEL COAT は、これら有機系や硬化性ガラス系の短所を解決し、高い対候性を実現しました。
4)薄膜
塗装面の風合いの確保およびコート剤表面での反射防止のためには、超薄膜かつ高耐久性の被膜を形成する必要があります。
WHEEL COAT は、超薄膜を形成することのできる薬剤を処方しました。(下地処理の良否によりその効果は大きく左右されますので、ご注意ください)
5)防汚性
一般的にコート剤に求められる条件に加えて、防汚性能を備えました。
WHEEL COAT は、微粒子シリカ表面の水酸基と大気中の湿度を呼び込む添加剤の効果により、コート剤表面に極めて薄い水膜が形成されています。
これにより、降雨時、あるいは強制的に水を供給することでコート剤皮膜が親水性を呈し、汚染物(特に油性)を浮揚させます。これを強制的にスポンジなどで除去することで、防汚効果が発現します。
あるいは降雨が多量の場合は、強制的な除去を行わなくても自浄効果が発現します。また、水切れ性が良く乾燥が速いため、ウォータースポットなどが発生しにくいという性質も持ちます。
6)被膜の柔軟性
WHEEL COAT はアンカー効果による超微細ポーラス構造被膜です。(1μm㎡に400~1000の針状SiO2が塗装塗膜の凹部に垂直方向に埋め込まれている状態で、三次元の被膜いわゆるシロキサンボンディングにはなっていません。)
そのため、硬化して塗装面に化学的結合を起こすのではなく、アンカー効果による密着性により被膜形成しています。
よって、 WHEEL COAT は特に摺動性の摩擦に強く、高温下による塗装面の膨張や寒冷時の収縮によるコート剤被膜のクラック・割れ・剥離・また高速運転時の被膜の剥離が発生しません。
特に、被膜形成せず、微細ドットにより塗装面に密着しているため、曲げ・振動・摺動への耐久性は極めて高いです。
7)容易に除去可能
自動車塗装面の部分的補修や修理、あるいは別のコート剤への塗り替え等、コート剤の除去が必要な場面があります。
その際、比較的容易に除去可能であることが、コート剤には求められますが、硬化性ガラスコート剤など、既存の商品には除去が困難なものが多く存在します。
WHEEL COAT はこの問題を解決し、必要に応じて容易に除去できるものとしました。
WHEEL COAT はその他にも、以下の要素に配慮しています。
8)メンテナンスの容易性
皮膜再生が必要になった場合に、油性、樹脂系のコート剤のように古い被膜を除去する必要はなく、従来の被膜の上に重ね塗布することで簡単に再生でき、同時に被膜上の汚れも除去することができます。
9)SDG’s
WHEEL COAT は水ベースの溶媒に、二酸化ケイ素を主材料とした100%無機物質で構成されており、地球や人に優しく、環境配慮・省資源型のSDG’s対応商品です。
WHEEL COAT は、ユーザーがコート剤に求める条件を網羅し、さらに防汚効果、不燃効果、省資源(水)効果、低環境負荷性(洗剤の使用量軽減)、易施工性(熟練度不要)などによる経費節減効果を追求し、RoSH・REACH規格に対応した革命的コート剤です。
コーティング ( Coating ) と塗料 ( Paint ) の違い
塗料は恒久的に基材と密着し、元の状態を長く維持することを目的としたものです。
しかし、一般的な塗料は有機材料を原料とするため、紫外線劣化、変色、退色などの化学変化や、汚染物質による劣化は避けられません。
我々は、これらの劣化原因をできるだけカバーし現塗料の風合いを変えずに保つことを目的としたものがコート剤であり、塗料を維持するための消耗品的犠牲被膜であると考えています。
特に、塗料が化学的反応による被膜形成であることから、コート剤は塗料とは化学結合することなく物理的結合させることで不要時に除去できるものでなければならないというのが、我々のコンセプトです。
※ (株)トレードサービス 岸本社長メッセージより抜粋